どうもねこです。マンガでわかるバフェットの投資術という本がKindle unlimitedで無料で出ていたので読んでみました。マンガで分かりやすくバフェットの生き方や投資スタイルを描いているのに加え、具体的な基準なども踏まえて解説されており、非常に参考になりました。自分の備忘録としてもまとめておきたいなと思い、今回はこちらの本をまとめたいと思います。
内容としては、バフェットが投資に目覚めるまでを描きながら、都度解説が入る形式で話が進みます。解説をされているのは濱本明先生、日本大学商学部の教授の方のようで、仮想通貨に関する本など出されているようです。
マンガでわかる バフェットの投資術
バフェットの幼少期〜大学時代
さて、本書はバフェットの幼少期から話が始まりますが、彼は幼くして瓶の蓋を拾い集めて市場動向を推察したり、ガムを売り歩いて利益を上げたり(本書にはありませんが、ガムはいろんな味のものを購入し、アソートパックを作って売ったという話があります)、子供の頃から商才と行動力があったことが伺えます。その後、ベンジャミン・グレアム(のちの恩師)の著書『賢明なる投資家』と出会い、本書から投資に関する手法を学び、ひいてはグレアムのいるコロンビア大学に入学し、グレアムに師事します。
バリュー投資の基準
グレアムから学んだ投資手法こそ、「バリュー投資」であり、株を安く買って高く売るという非常に王道的な手法です。そして、そのバリュー投資の7つの基準が以下の通り描かれています。
項目 | 確認事項 |
---|---|
①適切な事業規模か | 小型株は避ける |
②財務状況は健全か | 流動資産が流動負債の2倍以上かつ長期負債が純流動資産以下 |
③収益は安定しているか | 最低10年間は赤字がない |
④配当はあるか | 20年連続で配当を出しているか |
⑤収益の伸びはどうか | 過去10年間のうち直近3年間の1株あたりの純利益が最初の3年間より33%以上上昇 |
⑥株価収益率は妥当か | PERが15倍以下 |
⑦株価純資産倍率は妥当か | PBRが1.5倍以下 |
上記のように割安かどうかの判断を含めて商才な財務分析を行い、「企業の本質的価値」を見極め、購入に至るのがバリュー投資の基本となります。
その他にも、
- 損益計算書の読み方(営業利益率、当期利益、1株あたり純利益(EPS))
- BSの読み方(自己資本、有利子負債、)
- CF計算書の読み方(営業CF、投資CF、財務CF、フリーCF)
- 主要財務諸表の読み方(自己資本比率、ROA(6%以上)、ROE(10%以上))
など、財務三表の見方を具体的な数値とともに記載されており、個別株選びの際に教科書的に使えるな、という印象を受けました。
「シケモク理論」と「フィッシャー理論」
本書の途中からはバフェットが投資の理論として若いうちに用いており、恩師グレアムの影響を受けた「シケモク理論」、その後スイッチする「フィッシャー理論」が対比されます。バークシャー・ハサウェイ株主に向けた手紙の中に
まずまずの企業をすばらしい価格で買うより、すばらしい企業をまずまずの価格で買う方がよい
マンガでわかる バフェットの投資術 P80
という一節が出てきます。
まずまずの企業をすばらしい価格で買う=「シケモク理論」=数値分析によりまずまずの企業を安値で買う
すばらしい企業をまずまずの価格で買う=「フィッシャー理論」=経営者の資質や企業姿勢など、定性分析により価値判断する
と、彼が40代頃に投資手法を変更した理由とともに、これらの理論が描かれます。シケモク理論の良い点は、安値で購入して株価が得られればその差額をキャピタルゲインとして得られる点。ただし、まずまずの企業であるため、将来的に利益を継続して生み出す力が必ずしもない、という難点が残ります。一方、フィッシャー理論では、仮に多少割高に見える企業であっても、将来の成長度合いを考慮して、その金額が割安と織り込める場合は投資するというスタイルです。実際にこの方法で彼はカリフォルニアのシーズ社を購入、その後シーズは販売量、売上収益を着実に伸ばしていきます。将来にわたって利益を生み出す力を増す株を買う”グロース投資先を選ぶ”大切さを知ったストーリーとして描かれています。
読み通してみて、非常にためになる内容が多く、マンガということもありスイスイ読み進められました。何よりただで読めたのはありがたい(Kindle unlimitedではありますが)。最近では日本の5大商社にも投資したことで話題となりましたが、彼の投資手法を知った上で改めてこれらの企業を見てみるのも、楽しいかもしれません。
バフェットコード
また、バフェットにちなんで?バフェットコードというワンストップで効率的な企業分析ができるツールがオンラインでありましたのでご紹介します。先ほど上記で挙げた7つの投資基準に関して、サクッと検索できる、また売上高などは過去10年を遡って確認でき、非常に参考になります。こちらも、個別株選定には非常に強力なツールになりそうです。
それではまた。